映画のタイトルでも注目された「ありのままの自分」という言葉。
これが、心の琴線に触れた人は多いことでしょう。
その映画では、主人公が自分の個性に翻弄され、それでも「ありのままで」いるために迷い、苦悩する姿が共感を呼びました。
人はなぜ、ありのままでいられないのでしょうか。
ありのまま、自分らしく生きていく方法はあるのでしょうか?
ここではご一緒に、あなたがあなたらしくいられるような、考え方と行動を考えていきましょう。
ありのままの自分でいられない原因とは?
では始めに、人が「ありのままの自分」になれない、主な理由について挙げてみます。
原因①:自分が嫌いだから
まず始めに、「ありのままの自分」とは、何でしょうか?
簡単に言えば、自分そのもののこと。
例えば、朝起きて、むくっと起き上がったときの、そのままの自分、というイメージでしょうか。メイクも着替えもしていない、何も考えていない、何も手に持っていない「わたし」のことです。
あなたは、そのときの自分を好きですか?目が腫れて、顔も浮腫んでいるかもしれませんし、髪には寝ぐせ、ヨレヨレの部屋着でいる自分です。
もしその姿を想像したときに、「ヤダ、絶対誰にも見せられない!」と感じたあなたは、「自分を嫌い」なのかもしれません。
「『素』の自分に自信満々」という人は少ないと思います。でも、今の自分の内面にあるものだけでは、どうしても自分を評価することができない、つまり自分を好きではない人というのは、「ありのままでいることが不安」なはずです。
こう考えると、自分をそのまま受け止めることが難しく、「自分が嫌い」ということが、ありのままでいられない大きな原因のひとつである、ということが分かります。
「自分が嫌い」な人が自分を好きになる為の14個の改善方法!原因②:他人に合わせているから
「ありのままでいる」ということには、「自分に制限をかけず、したいこと、考えていることを、他の人と比べずに尊重する」という意味合いもあります。
あなたが今、ありのままでいられないのは、周囲を気にして自分を抑え、本来の自分がやりたいと感じていることを我慢しているからかもしれません。
「女の子ならお人形遊び」「男の子ならばミニカー」
現代はもう、そこまで型にはめる親はいないと思いますが、世の中にはこれに似た、「一般的な決まり」「あたりまえとされている常識」が存在します。
そういった「一般的な」「標準的な」何かに自分を無理に合わせているなら、あなたは自分自身を抑えつけているのかもしれません。
他にも、「家業を継がなければならないと決められている」「○○歳までに結婚して子供を設けるよう期待されている」など、他の人の意見に合わせる必要に迫られる人もいるでしょう。
このように、「常識や他人に、無理をして自分を合わせている」という現状が、あなたを「ありのまま」にさせておかない原因のひとつです。
原因③:人と比べているから
「ありのままの自分」なら、白のトップスを選ぶけれど、今年の流行色でみんなは黒を着ているから、仕方なく黒の服を選ぶ。
そんなことがよくある人は、「人と比べているせいで、ありのままの自分を失っている人」でしょう。
本来なら似合う色や、好きなものは人それぞれ違うのが当たり前です。
それなのに周囲から「浮く」ことを恐れて、自分を人と比較し、見劣りがないかどうか気にして生きているのはとても窮屈なはずです。
ですからあなたがもし、今の生活に縛られているように感じ、自分らしさが分からなくなっているとしたら、それはもしかすると無意識のうちに、「他と自分を比較していること」が原因なのかもしれません。
原因④:自分をジャッジしすぎているから
いつも正しくありたいと願うのは、人として素晴らしいことです。
しかし、常に自分の行動を判定し「それは間違っているのでは?」と圧力をかけていると、本来の自分を否定し続けることになってしまいます。
「ありのままの自分でいる」ということには、
「自分の思考にブレーキをかけないこと、何を思ってもそれが自分である」
「自分が考えたこと、それを考えていいのだ」といった、「心の声を尊重すること」が含まれているはずです。
もしあなたが、「今のアルバイトをどうしても辞めたい」と考えたとしましょう。
それによって、心の中で葛藤が生まれます。
「辞めるのは悪いことだ」
「でもあまりにもきつすぎる」
「途中で投げ出すなんて駄目だ。私は間違っている」
「でも」
こんな風に、自分の考えをジャッジしているうちに、最初に自分がなぜアルバイトを辞めたいと思ったのか、その本心さえも分からなくなっていきます。
きっとあなたは、「自分に合っていない」というシンプルな理由で、退職を決意したのでしょう。それがあなたの「ありのままの気持ち」のはずです。
でも「それを考えちゃいけない」と否定するなら、あなたらしさまで否定することになってしまいます。
このように、自分の気持ちをジャッジしすぎている時にも、「ありのままの自分」を見失ってしまうことがあるでしょう。
原因⑤:完璧主義だから
ありのままの自分でいることが難しい人の中には、「完璧主義で、自分の弱点を認められない」という特徴を持つ人もいます。
全ての人は不完全で、弱みのない人は存在しません。しかし完璧主義すぎると、それを認めることができないのです。
子供が苦手な人もいれば、PCに拒否反応を示してしまう人もいるでしょう。どうしても電車に乗ることができない、といった「悩み」「弱み」を持つ人もいますが、それをひっくるめて「自分」のはずです。
それなのに、「やれてあたりまえのはずだ」とか、「できないなんておかしい」と自分を責め、完全無欠を目指すなら、それはあなたらしさを無視することになります。
それは「ありのままの自分」でいることを受け入れられない、ということになるのです。
原因⑥:自分を客観的に見ていないから
自分に注目しすぎるあまり、本当の自分の姿が分からなくなっている人がいます。
例えば、ダイエットのことで頭が一杯の女性は、そうなりやすい典型的な例でしょう。
毎日毎日、食べ物のことと、体重計の数字ばかりが気持ちを支配しています。
そのうちに、自分が何の為にダイエットを始めたのか、その動機すら分からない状態になっていくのです。
こうなってしまうと、体調を崩すほど食事を抜いて、肌はボロボロ、貧血で倒れそうになっても、気になるのは「体重」のことだけ。
本来、彼女の「ありのままの魅力」は、はつらつとした活発さと、瑞々しい頬だったかもしれません。それなのに、彼女は綺麗になるためのダイエットで、本来の美しさを失くしてしまったことになります。
このように、あまりにも自分の一点ばかりに気を取られすぎて、客観的視点を失くしてしまうなら、「ありのままの自分」を見失うことになるでしょう。
ありのままの自分でいる方法!
ここまでで、あなたが「ありのままでいられなかった理由」が分かりましたか?
ではここから、あなたが「あなたらしくなれる方法」を提案していきましょう。
方法①:あなたらしさを見つける
「あなたの『自分らしさ』とは何ですか?」
そう聞かれたら、あなたは何と答えるでしょうか。この質問に、すぐに答えられる人は、むしろ少ないのではないかもしれません。
ではここで、「自分らしさ」を探す、二つの簡単な質問をしてみます。
- あなたは、小さいころどんな遊びが好きでしたか?何に夢中になっていましたか?
- 見るとキュンとするもの、嗅ぐと「いい香り!」と感じるのはどんなものですか?
さて、あなたはどんな風に答えたでしょうか。
最初の質問は、あなたが持って生まれた性格や、本来好きだったことが分かる質問です。
- 沢山の友達と賑やかに遊んでいた記憶が、楽しい思い出として残っている人。
あなたは元々、人と交わることが好きなタイプ。
↳あなたらしさは、誰かと一緒にいるときに発揮されます。
- 反対に一人で、自転車で遠くに行くのが楽しかった。または本を読んだり工作を作ったり、じっくり取り組むことが楽しかった。
そんなあなたは一人の時間が必要なタイプ。
↳あなたらしさは、自分だけの時間を大切にすることで目覚めるはずです。
次の質問では、あなたが本能的に好きな事柄が分かります。
- 都会の夜景や、華やかな香水の香りにときめきを感じる。この人は社交的でおしゃべりが好き、もしくはそういう環境での暮らしに憧れているということ。
↳今もし静かな暮らしをしているなら、もっと積極的に社会に出たほうが、あなたらしく振る舞えるかもしれません。 - 波の音や鳥の声、木洩れ日、夏の草の香りなど、ナチュラルな風景や香りに心が揺れる。そんなあなたは、本来自然志向なはず。
↳現在の生活に、景色のいい場所への散歩や、ハーブ、アロマテラピーを取り入れると、あなたの心は満足感を得ます。そして今よりぐっと、あなたらしい明るい考え方ができるようになるはずです。
あなたは、あなたとして生まれました。
ですから、あなたが元々持っている性格や反応を大切にしてあげてください。それを無視して無理をしていると、どこかで必ず歪みが生じます。
このようにまず「あなたらしさ」を再確認することが、「ありのままの自分でいられるようになる」最初のステップとなります。
方法②: 不自由だと感じている部分をはっきりさせる
あなたが、「ありのままの自分でいたいのにできないのは何故なんなろう」と疑問に思ったきっかけはなんでしょうか。
たぶん、今のあなたが生きることへの疲れや、こころの不自由さを感じたからではありませんか?
それなら、あなたが「不自由だと思っているのは何についてなのか」をはっきりさせる必要があります。
なぜなら、苦しさの基準は人それぞれで、誰かの満足があなたのそれと違うのは当然だからです。
もし、教室で居場所がないように感じる、という人なら、今の学校制度に「ありのままのあなた」が合っていないのかもしれません。
また、一人暮らしの部屋に帰るのが、寂しくて不安、と思っている人の場合なら、誰かと一緒にいたほうが「本来のあなたでいられる」ということの現れでしょう。
人は自由を感じているべきです。
ですから出来るだけ、自分を苦しめている状況を取り除いてあげたいものです。ありのままの自分でいるために、自分が何に不自由さを感じているのか、その点を良く吟味してみてください。
生きるのに疲れた原因と8つの対処法!頑張りすぎるあたなたへ方法③: 自分以外の人のための努力をやめる
「ありのまま」とは、「あるがまま」のこと。
あなたは、あなた自身として生きていくときに、最高のパフォーマンスをすることができます。
理想や目標を定めて、そこに向かって努力するのは素晴らしいことです。でも、その理想が誰かほかの「人」だった場合、あなたは息苦しさを覚えてしまうかもしれません。
その理由は簡単です。「あなたは、他の人にはなれないから」
どんなにその人に近づきたいと願っても、あなたはそれと同じにはなれないのです。
例えば、子供を持つと決めた時に、「尊敬する自分のお母さんのような、いい母親になる」と決意したとします。それはとても喜ばしいことで、お母さんとしても嬉しいでしょう。
しかし理想を強く持ちすぎ、「別の人」になることに集中してしまうと、少し育児に迷う度に辛くなります。
「私はなんて駄目な母親なんだろう」「これじゃあお母さんみたいなママになんてなれっこない」と自分を責めるようになるかもしれません。
これではあなたらしい育児ができないばかりか、子供と過ごす時間が、重く苦しいものになってしまいます。
ですから、理想は理想として、参考までに留めておきましょう。お母さんと全く同じ子育てをする必要はないのです。
「あなたスタイルのママ」でいてください。自分が子供の頃とは時代も違い、自分自身も母親とは異なるところが沢山あるのですから。
何より大切なのは、あなたのアイデンティティです。あなたのままで暮らし、笑顔でいられるのが一番。
他の人になろうとして、自分を失ってしまわないようにしていきましょう。
方法④: できないことはできなくていい
何でもできる人というのは、魅力的ですし、憧れの存在です。
例えばスレンダーなモデルさんで、ファッションセンス抜群、料理もプロ級。
そんな人の情報をSNSで見つけるたび、ため息が出る人も多いことでしょう。
そういう人の写真を眺めた後で、自分を振り返るとき、「私ってなにもできない、つまんない人間だな」と感じることがあるでしょうか。
自分にできないことばかりに意識が向けられて、自分のことが嫌になってしまいますか?
そんな時にはこう唱えましょう。
「できないことは、できなくていい」
そう、できないこともあなたの個性、あなたらしさなのです。
もし上手く人と話すことが出来ない、と悩んでいる人ならまず、「上手く話さなくてもいいんだ」と自分を認めてください。
そのちょっとぶっきらぼうな話し方に、面白みを感じる人だっているはずですし、言葉にできない思いは、行動やしぐさで示すことができるのですから。
できてもいいし、できなくてもいいのです。
やれることもやれないことも、全部ひっくるめての「あなた」です。
自分を丸ごと、大切にしてあげてください。
方法⑤: ダメなことはひとつもない
自分の欲を押さえつけているから、人は「ありのままの自分」でいられなくなります。極端に言えば、法に触れること以外、ダメなことなどひとつもないのです。
世の中には差別する人、白い目で見る人、常識を押し付けてくる人が沢山いるでしょう。
でも、あなたが「自分らしく生きていたい!」と心から願い、そのためにすることなら、それはやっていいことなのです。
進学をせずに起業して、大成功を収めている人がいます。
収入の少ない人と結婚して、世界一の幸せを感じている人がいます。
トランスジェンダーを公表し、その生きざまが共感を呼んでいる人がいます。
豊満な体系を武器に、世界で活躍するエンターテイナーもいますし、小学生のプロゲーマー、89歳のスケート選手だっているのです。
みんなそれぞれ「ありのまま」「自分らしく」生きています。
さて、そう思えば人生ってもっと面白くなると思いませんか?
ありのままの自分になれない人へ贈る書籍
本当の自分らしさを見つける50のヒント
「ありのまま」「そのまま」というのは何なのか。
自分の生き方を見つめなおす時、とても参考になる内容です。
読んでいくと、自分が持っている特性を、歪ませずに引き出すことが「自分らしさ」なのだと理解することができます。ぜひすぐに自分を否定してしまう人に手に取ってほしい書籍です。
まとめ
映画で注目された「Let it go」
これは意訳すると、「もう手放したら?」「それとはもう決別して、前に進もうよ」というようなニュアンスになります。
日本人がこれを「ありのままでいること」と訳したことは、「ほとんどの人が、自分らしくあることを諦めて、何かに縛られている現実」を示しているような気がします。
手放すべき、自分らしさを失わせる何かと決別したい。
そう感じながらも、ひとは様々な理由からそれが出来ないでいるのかもしれません。
この記事を読むことで、少しでも「自分らしさの大切さ」を思い出してもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。
そしてそこに、あなたの「本当に自由で楽しい人生がある」ということを、見つめなおすことができますように。
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