公私混同しがちな人の10の特徴と対処法を徹底的に解説!

ひと昔前までは、「休日に、上司の”子供さんの”引っ越しを手伝う」というようなことが当たり前でした。そして仕事が終われば『飲みにケーション』、これは半ば強制的に参加しなければならないものでした。

しかし現在では、これらは全て公私混同に当たる、と感じる人が増えています。もちろん本人が進んで協力するのは自由ですが、「やるのが当たり前」という強制は、パワーハラスメントにもなるのです。

ここでは、時代を経て意味合いが変化している「公私混同」してしまう人の特徴を綴っていきます。他にも公私混同しがちな人への対処法、自分が公私混同する人にならないためのアドバイスも掲載していきます。

公私混同とは?

社会には、大きく分けて2つの場面があります。

  1. 公(おおやけ)パブリックな部分(職場、業務、公的、学校など)
  2. 私(わたくし)プライベートな部分(自宅、趣味、家族、恋愛など)

人は誰でも、この2つの場面では、それぞれに相応しい振る舞いが要求されるものです。

しかし公私混同とは、この「二つを混同してしまった状態」のことを指します。つまり本来は公の場(特に仕事場)での振る舞いをしなければいけない場所で、あたかもプライベート同様の振る舞いをしてしまうことを、公私混同している状態といえます。

公私混同しがちな人の特徴

ここでは公私混同しがちな人の特徴をあげていきます。自分は公私混同しがちだろうか?自分が苦手な上司や部下は公私混同しがちな人の特徴に当てはまるだろうか?などを考えながら見ていきましょう。

特徴①:面倒見がよく、フレンドリー

「職場の後輩を自宅に呼んで、手料理を振る舞う職場の先輩」
これを聞いて、あなたはどう感じるでしょうか?

長年社会人経験してきた人なら、それほど悪いイメージはないはずです。コミュニケーションを円滑にし、仕事でも皆の協力関係がうまくいくように、気を使ってくれる優しい人にも思えます。職場のリーダーや、お母さん的な存在の人に多く見られる性格でしょう。

しかしこのフレンドリーさが、いつの間にか「公私混同」」になっていくことがあります。
なぜなら、休日も必然的に仕事の話をすることになり、「やすみ」という仲間の貴重なプライベートを仕事とごちゃ混ぜにしていることになるからです。

その上、その場で何気なく話した自分の家族の情報が、いつの間にか職場にダダ洩れになる、という危険性も孕んでいます。

特徴②:公私混同しているという自覚がない

少し前までは、部下の結婚相手を見繕うのも、職場の上司の仕事だった時代もありました。新居も上司の紹介で購入し、こうして世話になった部下は、一生「下僕」として忠誠を誓うという今の若者たちには受け入れられがたい考え方です。

終身雇用が神話となった現在、このような風潮はぐっと減っています。しかし、昔堅気のサラリーマンの中には今までと同じように、部下の生活面まで面倒を見る「公私混同」が、当たり前と思い込んでいる人もいるのです。

このタイプの人には、公私混同しているという自覚が全くありませんから、当然のように”超”個人的なところまで踏み込んでくることでしょう。

これはどちらかというと年配の人に多く見られる公私混同特徴です。また自分にこれが当てはまる場合は一度、相手の立場になって考えることを学んでみましょう。

相手の立場に立って考える10個の方法!

特徴③:人付き合いに境界線を引けないタイプ

接客業をしていると、同僚だけでなくお客様とも仲良くなる場面があります。
ある程度感情移入して、相手の立場に立つ接客は、質の高いサービスには欠かせないものです。

しかし、店員さんが「公私混同」するタイプの人の場合は要注意です。このタイプの人は、個人的な質問(住所や家族構成など)を必要以上に聞いてきたり、頼んでもいないのに私生活についてのアドバイスをしてきたりします。

こちらは客として接しているのに、やけに馴れ馴れしくしてくる販売員は、きっといつも人間関係に、境界線をうまく引けないタイプなのでしょう。
このように、「フレンド」と「カスタマー」の線引きができなくなるのも、公私混同しやすい人の特徴です。

特徴④:振る舞いを注意してくれる人がいない環境にある

職場では、上の立場になればなるほど、その人の行動をチェックする人がいません。
そういう人は文句や苦情を言われないので、公私混同な行動がエスカレートしていきます。

経営者がお金の使い方を公私混同し、会社が立ち行かなくなる、という話はよく聞くものです。利益を出して従業員に還元することより、プライベートを満足させるために会社の経理を誤魔化す。これは「公私混同」の典型的な例となります。

特徴⑤:自分は正しいと思い込んでいる

「あなた恋人いないの?私の知り合いを紹介しようか?」
仕事中に、そんな風に連日言ってくる同僚がいたら、まさしくそれが「公私混同」です。悪気がないのはわかりますが、言われたほうもうんざりしてしまいます。
しかもそういう人に限って、自分はいいことをしているのだと、自信を持っているものです。

仕事をして対価を得るために、それぞれの人は仕事場に来ています。もちろん、そこで無二の親友と出会う人もいるでしょう。しかし仕事に関係のない恋愛のことで、同僚にお節介を焼くのは、勤務時間外にするべきこと。「公私混同」な人は、これに気付かないのです。

このように、自分は正しいことをしている、人の役に立っていると思い込んで「公私混同」をしている人も存在します。

特徴⑥:えこひいきしがちである

はきはきと挨拶ができ、仕事をサクサクこなす。そんな気持ちの良い人なら、皆に好かれて当然です。でも、そんな特定の人だけをえこひいきし、あまりにも特別扱いする上司がいたら、それこそが「公私混同」です。

可愛いとか、スタイルがいいというだけで楽な仕事を与えられる人がいたら、職場内はピリピリした空気になってしまいます。

個人的な趣味や好みと、協力して行う仕事とは相容れないものです。ですからえこひいきが過ぎるリーダーの公私混同には、みんながイライラして職場のムードが悪くなることでしょう。

こういうタイプの公私混同する人とは、出来るだけ距離を取りストレスを貯め込まないことが大切です

特徴⑦:精神的に幼く、社会人としての自覚が足りな

ちょっと疲れたからと言って、休憩時間でもないのにこっそりサボる。誰も見ていないからと、外回りのついでに立ち読み。これらも立派な「公私混同」になります。

勤務時間内は、仕事をしているからこそ対価が発生しているのに、その自覚がないのです。
他にも喫煙ブースが区切られた現在、煙草を吸う人は、吸わない人より多く休憩を取っているのでは、との指摘もあります。

学生の頃なら許されたであろう、「だって頭が痛かったんです」という遅刻の言い訳も、社会人としては許されない「公私混同」です。きちんとした報告、連絡のない時間の甘えは許されません。

特徴⑧:感情のアップダウンが激しい

公私をごちゃごちゃにしがちな人は、感情のコントロールが苦手な傾向があります。出勤前に家族と揉めたりすると、そのイライラを引きずったまま、職場で当たり散らしたりすることがあります。

体調や心配事が原因で、気持ちが落ち着かないことは誰にでもあり、理解もできます。しかし、プライベートでの落ち込みや憤懣を、仕事中も引きずるのは公私混同していると言わざるを得ません。

またこれとは逆に、仕事でのイライラを家庭でぶちまけるのも同じく「公私混同」と言えます。家で待っている子供にまで、「公」の疲れを押し付けていることになるからです。

特徴⑨:けじめがつけられない人

アフターファイブに集まる飲食店を、勤務中に検索して予約する。このような行為も、立派な「公私混同」です。休憩時間でもないのに、同僚と休日の予定を調整しあったり、会社のPCを使って私信メールをすることもこれに当たります。

このような行為を日常的に行っている人は、まさに「けじめがつけられない人」ですから気を付けなければなりません。もしかすると、私信メールの受信者になっているだけで、あなたも「公私混同な人」として評価されているかもしれません。

特徴⑩:仕事仲間を好きになる

一緒にいる時間が長ければ長いほど、お互いをよく知ることになり、それが恋愛に発展することもあります。職場でのお付き合いが結婚へと結びつき、素敵な家庭を築いていく、そんな人生スタイルに憧れを抱く人も多いと思います。

その付き合いが仲良く上手くいっているときは、24時間バラ色の気持ちで過ごせるでしょう。仕事にもハリが出てきて、いい成果を出せるかもしれません。

しかし、その恋愛がうまくいかなくなった場合、これは「公私混同」の最悪なケースになります。もし社内で口論やぶつかり合いが起きれば、まさにプライベートが仕事の邪魔をしているだけになってしまうからです。

公私混同しがちな人への対処法!

ここからは公私混同しがちな人への対処法を記載していきます。公私混同する人すべてが悪い人というわけではありませんが、付き合い方次第で面倒な人になってしまう可能性が高いのでぜひここで紹介する対処法を試してください。

方法①:‘YES’ or ‘NO’ はっきりした返答をするように心がける

お節介タイプの公私混同さんからの質問には、常にはっきりとした返事をする必要があります。
『出来ることは出来るという人』『ダメなものはダメと言う人』であるということを、きちんと示しておきましょう。

  • 「明日の休みは暇?」→「いいえ、家族と外出するので忙しいです」
  • 「この後、この作業も一緒にやってくれない?」→「はい、それを完了させてから帰ります」

うわさ話の場合、その場にい続けると話に加わっているとみなされて、「公私混同会話」の一員にされてしまいます。「あの人もそう言ってたわよ」と仲間にされないように、NOの場合はその場を立ち去りましょう。

方法②: ドライに徹した接し方をする

面倒見がいいタイプの公私混同さんに対しては、できるだけドライに付き合ったほうが、公私混同ワールドに巻き込まれずに済みます。

  • 「今日のランチ、御馳走するから一緒にどうだい?」→「先約がありますので」
  • 「明日、ホームパーティーをするから来て」→「休日はお稽古事がありますので」

何度かきちんと断っているうちに、『この人は誘っても来ないんだな』と、思ってもらえればしめたものです。相手に悪気はないので丁寧に対応するのが礼儀ですが、毅然とした態度で臨むことが必要でしょう。

またこのタイプはいわゆるおせっかいな性格なので、このタイプの公私混同さんに悩まされている場合は、こちらの記事も合わせて読んでみてください。

おせっかいな性格の人の12の特徴!

方法③: 始めから適度な距離を保つ

相手が公私混同しやすい人だからと言っても、仕事上の会話は必要ですし、あまりにもギスギスした雰囲気になるのはよくありません。

ですからその人が上司でも同僚でも、できるだけ適度な距離を保って付き合うように心がけましょう。これは、何かトラブルが起こってから距離を置く、というのではありません。最初からすべての人と、べったりな関係にならないようにしておくのです。

人との間が近くなりすぎると、細かい「公」と「私」がどうしても曖昧になりがちです。ですから相手から距離を詰められた時にも、冷静に程よいラインまで下がるように心がけましょう。

方法④: 公私を分けている人と付き合う

いくら気の合う人でも、それが公私混同タイプの場合は注意が必要です。会社のパソコンで、私用のメールをすることに抵抗がなくなっている人がいますが、そういう人と仲良くすると、受信したあなたまで「公私混同な人の仲間」にされてしまいます。

もし休日に一緒に出掛けて、その人に話したプライベートな事柄が、社内に広まっているようなことがあれば、その後の付き合いは制限したほうがよいでしょう。

そんな不測の事態に巻き込まれないためには、節度を守り、社内コンプライアンスを「一定のモラル」として感じている人と、過ごすようにしていきましょう。

そうすれば、「知らず知らずのうちに自分も公私混同人間になっていた」という事態を避けることができます。

公私混同する人にならないためのアドバイス

ここからは自分が公私混同してしまう人にならないための、アドバイスを記載していきます。

公私混同してしまう人は、周りから煙たがられることが多く、自分がそんな人にならないようにぜひ以下の点を気をつけてください。

アドバイス①: 時間泥棒にならない

仕事中はまさに「タイムイズマネー」であることを忘れてはいけません。決められた時間内に、やるべきことをこなし、更に改善していくことが「仕事」ですから、その時間は大切に扱うべきです。

遅刻や無断欠勤は論外ですが、デスクの下でこっそり、私用のスマホでゲームやSNSをする、といった行為も立派な「時間泥棒」です。前述した愛煙家の休憩時間の取り方についてや、社外に出たついでの個人的な買い物など、公私混同に当たる時間の使い方はたくさんあります。

ですから自分がそれに気を付けると共に、後輩の様子も見ていてあげましょう。スマホ世代が増えるにしたがって、数分おきに画面をチェックするのが、あまりにも普通になっています。仕事中でも違和感なくそうしている部下がいたら、「その癖は直したほうがいいよ」と注意してあげてください。

アドバイス②: 小さな私物化も「横領」になる

職場に慣れるにつれて、ペンや紙などのオフィ用品が、私物と混合してしまうのはよくあることです。
会社によっては支給される文房具を、ポケットにいれたまま帰宅しても、咎められるようなことはないのが現状でしょう。

ですがこれがエスカレートして、家族写真のプリントアウトを、職場の印刷機でやってしまうような人がいます。小さいことに思えるかもしれませんが、こういったことを続けていると、いつかもっと大きな「横領」に手を染めてしまうかもしれません。

感覚が麻痺してしまわないよう、常日頃から自分の中の「これくらいいいだろう」というハードルを下げずに、「物の公私混同」を避けていきましょう。

アドバイス③: 休日は家族と過ごし、円満に保つ

職場に入るときの気持ちの切り替えと、同じくらい大切なのが家庭での切り替えです。仕事の残りを家に持ち帰り、夜中や休日まで家で仕事をしている。こんな人は、家庭に仕事モードを引きずっている形の「公私混同」をしているのです。

もしパートナーや子供さんがいるなら、もちろん不満が出て険悪なムードになるでしょう。そこで口論になれば、翌週の仕事中もずっと気分が悪いはずです。

ですから週末など、休日は仕事のことは忘れたほうが賢明です。家族と距離を詰め、お互いの気持ちを分け合う時間を作りましょう。
夫婦や子供と共に過ごすその時間は、これから一生続いていく長期プロジェクトの一環です。これを「公私混同」のせいでないがしろにしてはいけません。家族を大切にしておかないと、万が一「仕事をしている自分」が倒れた時、「家庭の自分」を支えてくれる人がいなくなっている、という事態になりかねません。

アドバイス④: プライベートを仕事に持ち込まないために

毎日の生活で巻き起こる、数々の出来事は、どうしても気持ちを不安定にさせるものです。
仕事への集中力を削ぎやすい問題には、次のようなものがあります。

  • 家庭の問題→パートナーと喧嘩したイライラを引きずって、部下に大声をあげてしまう
  • 恋愛の問題→次のデートのことを考えていて、会議内容を聞いていない
  • 職場恋愛→ばれないように気を使いすぎて、いつもソワソワしている

このような精神状態を避けるためには、気持ちの切り替えが必須です。一歩職場に入ったら、社会人としての自分に「ログイン」し、就業時間が終わってから「ログオフ」してください。

気持ちのオンオフの切り替えは最初は大変ですが、これこそが自分が公私混同しがちな人にならない第一歩といえます。

アドバイス⑤: 職場以外で楽しい人間関係を築く

仕事ばかりに時間と体力を奪われていると、職場の人としか付き合っていない毎日になってしまいます。それでは話題も画一化しますし、リラックスできないばかりか、自分が人間として成長するための、幅広い視野も持てなくなるかもしれません。

仕事以外に、趣味や勉強をする仲間を作れば、そこに集う人たちと行動することができます。その中で自分のプライベートを話し、相談できる相手が見つかったらラッキーです!その人となら、どんな話題になったとしても、「公私混同」にならずに済みます。

趣味に集中する時間を作ると、人との関わりに役立つ点があるだけでなく、自分の頭がクリアになるのを実感できるはずです。仕事から離れ、精神的な疲れが取れたら、また明日からバリバリと仕事をこなそう!と気持ちがみなぎってくることでしょう。

まとめ

生きていく上で、「仕事をすること」は欠かせません。生活の糧を得るというだけでなく、自らのアイデンティティを支え、築いていくものになるからです。

そして仕事を通じての出会いが、その後の人生を大きく変えることもあります。その人脈は公私を超えて、あなたの血となり肉となっていくのです。

ですから仕事とプライベート、どちらも大切に生きていけたら、こんなに素晴らしいことはありません。どちらかに偏ることなくどの場面においても、人との付き合いに適度な距離を保っていくようにしましょう。

また身の回りにどうしても公私が分けられない人がいるなら、その人とは出来るだけ距離をとり、あまり深入りせず自分の心の安定を優先してください。

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