今回は、「何もかも嫌」な気分に陥ってしまった場合の理由と、その対処法について、詳細に説明していきます。人は誰しもうまくいかない事が続き、精神的に辛くなってしまった場合、「何もかも嫌」と感じてしまう事が多いのではないでしょうか。
実際に筆者の私も「何もかも嫌」と感じ、あらゆる事に対して手がつかなくなってしまった経験があります。今回はそれを踏まえ、おすすめの対処法を一挙紹介していきます!
なぜ、何もかも嫌な気分になってしまうのか
この記事を読んでいるあなたは、今、何もかも嫌な気分になっているはずです。しかし、「何もかも」とは何でしょうか?
例えば、呼吸をすることが嫌になっているのでしょうか?もしそうであれば、脳に酸素が行かなくなり、間違いなく、あなたは後数分すると死んでしまいますね。
それとも、水分を補給することがいやになっているのでしょうか?もしそうなら、あなたの命はあと10日足らずです。水がなければ、生きてはいけません。
もしかすると、何も食べたくない?それでも一ケ月位は生きていけます。でもそれで命はおしまいです。
おそらくは、それらとは違う意味で、何もかも嫌な気分になっているのでしょう。以下、なぜ何もかも嫌な気分になってしまうのか、その理由について解説していきます。
心を壊されるくらいのストレスを受けたから
「どうしても、承服できない状況に追い込まれた」、「全く納得できない対応をされた」あるいは、「どうやっても認められない処遇に対抗できない」など色々なことが重なってしまって、大きな心の傷を負った場合、大事なものが壊れてしまったような気持ちになり、何もかも嫌な気分に陥ります。
この、何もかも嫌な気分のことを「うつ(鬱)」といいます。それ自体は、人間にとって決して特別なことではありません。誰でも嫌なことがあれば、突発的にうつになります。
あなたが何もかも嫌な気分になっているのは、このように、心を壊されるくらいのストレス(ストレッサーによる圧迫状態)を受けたからです。
ストレスの度合いににより、回復までの期間は異なりますが、ある人は突然うつになり短時間で回復します。また、回復までに一晩かかる人もいます。あるいは、数日・数週間の人もいます。それはその人のうつへの耐性と、自分の心に対する理解(親和性)の深さで違ってきます。
あなたが受けたストレスの絶対量が心の回復力を上回っているから
ストレスは、生きている限り常に存在します。ですが、それがあなたの許容範囲を超えると、不適応を起こします。この不適応の一形態として、「何もかも嫌な気分になってしまう」という状態が挙げられます。
この時、本当に何もかもが嫌になってしまいますので、日頃行っていた日常の行為、例えば洗面・歯磨き・掃除・通勤・通学などですが、それさえもうどうでもいいと思ってしまうことになります。
ストレスの圧力によってへこんだ心は、なかなか元には戻りません。まして、更にストレスを受け続けていれば、更に傷ついてしまいます。このように、受けたストレスが、心が持っている回復力より勝っている場合、何もかも嫌な気分に陥ります。
どうすれば今の状態から抜け出せるのか分からないから
上述したように、傷ついた心は、当然苦しくなって救いを求めます。しかし、楽になる為の方法が分かりません。
どうすれば苦しさから解き放たれて楽になれるのか、その方法がわかればきっとあなたも、少しは楽になるはずですが、その方法が分からないため、「何もかも嫌」という状態が続いてしまいます。
自分の心を回復させるため、暗闇の中を手探りで進むように色々試しても、余計に自身の心を傷つけてしまう場合が多く、よりネガティブな状態に陥ってしまいます。
負の連鎖が続いてしまうから
心の負担が大きくなってしまうと、何もかも嫌な気分に陥りがちです。職場に嫌な上司がいる、学校に相性が悪い友人がいるなど、理由は様々ですが、精神的に追い詰められてしまうと、その事象のみに留まらず、他の事柄についても同様に上手く行かなくなってしまい、負の連鎖に陥ります。
そのような事が続き、気分がネガティブな状態が継続すると、どうしてもそこから抜け出す事が難しくなり、何も手につかず、何もかもが嫌な気分になってしまいます。
何もかも嫌な気分は「うつ」なのか
上記した様に、何もかも嫌な気分は、その具合にも依りますが、「うつ」に近い状態です。
しかし、どの程度「何もかも嫌」な気持ちが強い場合は「うつ」と判断されるなどの境界は、実は非常に不明確です。
数日ほどの憂うつな気分が続くだけで、その後すぐに回復するようであれば、それは病気とは言えませんが、ずっと長く落ち込んだ状態が続いている場合や、何をやっても、症状が改善しない場合は、「うつ」と判断される可能性が高いです。
「うつ」は、何もかも嫌な気分以外にも、倦怠感や気持ちの悪さ、やる気が全く起きないなどの様々な症状を伴います。また、時間経過により回復した様に見えたり、また落ち込んだりと波がある点も特徴です。
長く放置していると、慢性化してしまう事もある為、気になる方は、早めに専門医を受診しましょう。
何もかも嫌になった時にするべき13個の対処法!
本項では、上記の理由で述べたような「何もかも嫌」になった心の問題への具体的な対処法を記載いたします。
本当に今の状態から抜け出そうとするのであれば、自分の心と正面切って向き合うことが必要になります。しかし、そんなことを最初からすぐにできるわけはありません。そのため、段階を追って、以下のように不調を少しずつ解きほぐしていきましょう!
また自分で立ち上がることが難しいと感じる場合は、専門家や『自分以外の手を借りること』を恐れないでいてください。
現在は病院に行く前に「cotree」といった日本最大級のオンラインカウンセリングを利用する方法もあります。誰かに頼ることは逃げではありません。今の自分に合った方法をあなたが選んでください。
対処法1. 立ち上がって、大きく深呼吸する
今の場所から立ち上がって、大きく深呼吸をしてみましょう。この時、深呼吸の前にしばらく両目を閉じてください。そして、目を開けると同時に身体を少し後ろにそって、両手を下から上に大きく広げて胸を張ってゆっくりと鼻から息を吸い込みます。
そしていったん息を止め、そのあと吸い込んだ時以上にゆっくりと両手を身体の前に交差させるようにして、口から息を最後まで吐き出します。息を吐きだすときは、目をつぶってもいいかもしれません。このような深呼吸を2~3回行ってみましょう。
深呼吸をすることによって、体(特に脳)に酸素が行きわたります。また、リラックス効果もあるため、継続すると落ち着きを取り戻すことが出来ます。
対処法2. 少し散歩する
深呼吸によって、気持ちを整えたら、続いては、この酸素循環を継続的に行うために、身体全体を動かしてみましょう。
過激な運動をする必要はありません。まずは、歩くという大抵の人が普通にやっていることを、意識してやってみることにしましょう。もしできれば散歩に出てもいいのですが、部屋の中で歩くだけでも問題ないです。
歩くという行為は身体全体を使い、それほどのつらさも感じずに、ある程度の時間継続できる運動です。おそらく、部屋の中で歩いてみると、それはあまり楽しいことではないのがわかります。もしそう感じたなら、家から出て、散歩してみてください。
時間は、あまり長いと疲れてしまうため、30分程度を目安として下さい。最初の段階から、決して自分自身に負担を感じさせないことが鉄則です。無理をしない、頑張らない程度の負荷で、少しずつ体を動かすことに慣れていきましょう
対処法3. 身体の力を抜くストレッチをする
今あなたは、何もかも嫌な気分から、深呼吸をして、散歩にまで進みました。
引き続き、体の調子を整えて行きましょう。次にやることは、ストレッチです。しかし、この場合のストレッチは、普通一般に言うストレッチとは、少し違います。ここでは、筋肉の力を抜くストレッチを行ってみましょう。
人間の体の仕組みとして、筋肉は神経細胞から微電流による刺激を受けることによって緊縮します。そして微電流刺激が閉じれば緊縮は終わります。要するに刺激がない状態では弛んでいるのが筋肉の通常なのです。
しかし、無意識のうちに筋肉に刺激を与えて張っている状態が続いていることもあります。このような無意識の筋肉のツッパリをほぐす意味で、意識して筋肉を脱力させることを試してみましょう。
両肩を上にあげて(首をすくめる行為)約2秒、そしてすとんと力を抜いて落とします。そのまま背筋を伸ばしゆっくりと息を吐く、力を入れずに。その時の身体の動きを意識してみてください。そして、その感覚を身体の各部でも感じてみる工夫をしてみましょう。
身体全体から、少し力が抜け弛緩していることを感じられるでしょうか?力を入れて少し止め、しばらくして抜く。それだけのことですが、自分の身体を実感として感じられるようになれば十分です。
対処法4. バスや電車に乗って少し遠出をする
少しずつですが、身体のバランスが整ってきました。そろそろ心のバランスも整えていきましょう。家を出て、散歩して、そしてバスや電車に乗って遠出してみましょう!
無理をすることはありませんが、可能であれば、行ったことのないところ、来たことのないところへ行ってみるのも一興です。
知らないところへ行って、知らない道、知らない町を歩いて、ただそれだけで帰ってくる、それだけで十分です。もしかすると、素晴らしい景色に巡り合えるかもしれません。あるいは、経験した事のない状況にはまることもあるかもしれません。
その景色や状況を自分自身がどういう心で感じるのか、できたら客観的に、意識してみてください。今まで自分自身の身体の動きを意識してきたように、心の動きを意識してみる、ということです。すぐにできなくても構いません。そういう方法がある、ということだけは心の片隅に置いておいてください。
対処法5. 無理をせず継続する
随分と身体を動かしてきました。最初の時と比べて、どんな感じでしょうか?
いくらかは、頭もすっきりしてきましたか?あるいは、身体がしっくりと来た感じにはなっていませんか?
いくらかよくなってきたならば、それは非常に良い傾向です。焦ったり、急いだりする必要は全くありません。「何もかも嫌」と感じるほど、あなたの心はプレッシャーで辛い思いをしていたので、それを十分に受け止めて少しづつ外へ散らしていく必要があります。
大事なことは、ゆっくりと、少しづつということです。身体を動かすことも、決して無理せずできる範囲で少しずつ、が原則です。体を疲れさせてはいけません。
ほんの少し気持ちが楽になったと、あなた自身で実感すれば、上述した対処法を継続することも比較的、簡単なはずです。
対処法6. 楽になっていると実感する
心への対応を続けてみましょう。少々つらいかもしれませんが、この辺りから何もかも嫌になっていた自分の心と、少しづつ向き合っていきます。
まずは、対処法を行う前の自分の心を、思い返してみてください。今と比べてどうでしたか?だいぶ辛い感覚だったはずです。そして、今の心に戻ります。楽になっている感じが自覚できましたか?
自分の心が今のほうがいくらかでも楽になったと感じる事、これができるのは自分の心を観察する、いうなればもう一つの自分の心を自覚できたということです。言い換えれば、自分自身を客観視できる新しい目を持ったということもできます。そしてこれを育てることが、これから次へのステップになります。
対処法7. 心と身体の相関関係を知る
これから先は、傷ついた自分の心を養生する過程になります。
心と身体はお互いに深い相関関係にあります。そのため、心の負担がもとで何もかもが嫌になってしまったりして、身体の調子もおかしくなって、うつうつと過ごすことになってしまうのです。
逆に体の調子を少しづつでも整えていけば、心の調子もその影響で改善されていきます。心の傷は、心と身体の両面から養生させていくことができます。そのことを、決して忘れないでください。
心と身体が深い相関関係にあること。心の負担は、心と身体の両面から支えていける事。もう一つの自分の心で、心を客観視できるということ。この三つをしっかりと意識しましょう。
あなたの「何もかも嫌」という感情は、心のケアだけでなく、身体のケアでも回復が図れるということです。
対処法8. 生活習慣を改善し身体の調子を整える
上述した様に、身体と心は密接に関係しています。
身体のコントロールを上手にすれば、心のコントロールにも十分役に立つということです。体調を整えるのには、睡眠、栄養、運動をしっかりと心がけて、生活習慣を改善していきましょう。
心が傷つき、何もかも嫌という時は、眠れない、食欲がない、動きたくない、というように中々生活習慣を整えることが難しいかもしれません。そんなときは、もう一度最初の対処法に戻って、自分に適したところから、繰り返してみてください。
生活習慣が整い、朝起きてしっかりと朝日を浴び、きちんと食事を取ることが出来れば、次第に心は上向きになり、「何もかも嫌」という状態は緩和されるはずです。
対処法9. 傷ついた心のプロセスを確認する
何もかも嫌になってしまったプロセスを、じっくりと検証してみましょう。何がきっかけで、何に強く影響されて、とどめを何から食らってそうなってしまったのか、しっかりと向き合ってみることが大切です。
心の問題を解決するのに、心から逃げていては不可能です。しかし、深く傷ついた心でそれを行うのは、非常に困難です。そのため、上記の方法である程度精神を回復してから、何もかも嫌になった自分をじっくりと調べてみましょう。
いったいどんなことが、自分の心にこれほどの傷を負わせたのでしょうか?そして、なぜ自分の心はそれに対して対抗できなかったのでしょうか?色々と関わってきたことは、何だったのでしょうか?
出来れば、ペンとノートを準備して、自分の感情をどんどん書き込んでみても良いかもしれません。客観的に自分を見る事が出来れば、きっと、傷つた最初の自分の心を養生する方法がわかり、何もかも嫌な状態から抜け出すことが出来るはずです。
対処法10. 上手くいかなくても気にしない
ここまで、様々な対処法を説明していきましたが、もし、うまくいかなかったとしても、気にすることはありません。その場合は、初めまで戻って、やり直しても問題ありません。とにかく、焦りや頑張りは禁物です!
大切なのは、うまくいかないことに悲観しないことと、無理をしないことです。悲観すると、もとの状態に戻ってしまいます。無理をすると、せっかくの良い状態が崩れてしまいます。
傷ついた心は、直すのにも時間がかかって当たり前です。傷つける時間は一瞬でも、身体の傷と同じで、治るのにかかる時間は長いです。時間をかければかけるほど、しっかりと完治すると思い、気楽に構えてみましょう!
対処法11. 大丈夫と自分に語り掛け自己肯定感を上げる
何もかも嫌で心が塞ぎ込んでいる時は、「大丈夫」と自分に語りかけ、自己肯定感を上げる努力をしてみて下さい。
この場合、心の声で語りかけても良いですが、実際に発声する事で、よりその効果が高まります。「何もかも嫌だけど、きっと大丈夫」「未来は明るくなる」など、ポジティブな言葉をどんどん自分にかけてあげましょう。
「何もかも嫌」な方は、自己肯定感が低く、様々な物事について悲観的になりがちです。しかし、この方法で自己肯定感を上げていけば、次第に気持ちが前向きになります!
他にも自己肯定感を上げる方法は様々ある為、是非、以下のエントリーを参考にして頂ければ幸いです。
自己肯定感を上げるための15の方法を紹介!対処法12. 他の誰かに相談してみる
つらいこと、苦しいことを自分だけで抱え込んではいませんか?誰か、相談したり頼ったりする人に思い当たりはありませんか?
何もかも嫌になっているときは、それを人に相談したり助言を求めたりすることも考えられないし、その気にもならないでしょう。
しかし、今のあなたは幾つかのステップを踏み、当初の心の状態とは、だいぶ変わってきているはずです。今なら、だれか相談したり助けを求める方の心当たりに思いつくかもしれません。
どうでしょう?どなたか思いつきませんか?家族や親戚、友達や、会社の同僚など、あなたのことを近しく思い、相談に乗ってくれる人を思いついたなら、恥ずかしさをしのんで、一度相談してみましょう。
自分の心を正しく客観視して、それに必要な援助と力を、周囲から引き出し、健全な状態にまで復帰させることが出来たのであれば、何もかも嫌な感情はきっと払拭出来ているはずです。
対処法13. 心療内科を受診する
どうしても今までの辛さから脱却できない場合は、病院の心療内科を受診して、専門の医療スタッフのアシストを得ることも必要になります。
一人一人のうつ(鬱)への耐性と自分の心に対する理解(親和性)の深さによって、各人の症状やそれに対する対応も異なるのが、精神療法領域の特徴です。
普通の病気と同じように、予防のレベルで対処できればよし、もし発症しても初期の段階で対応できるのがベターですが、なかなかそうはいかず、だいぶ重症になってから受診される方が多いのも実情です。
自分自身で対処する方法はないこともないのですが、誰でもが常にうまくいくというわけでもありません。心の問題は、現在でも100%解明されているわけではないので、絶対ということは言えません。ですが多くの臨床例を経て、それなりにエビデンスのある方法は多くあります。
無理と我慢をしすぎないうちに、しっかりと受診することも必要でしょう。
何もかも嫌になった時、手に取ってほしい1冊
心の荷物のおろし方を、教えてくれる1冊です。
人は悩みながら生きていくものだ、悩んでいるということは進歩しているということだ、と現状を自然と肯定してくれます。
文字がぎっしりと詰まった本ではないので、全てが否定的に見えてどうしようもない時、気になった所だけをぜひ読んでみてください。
まとめ
ここまで読んで頂き、誠にありがとうございました。「何もかも嫌」な時の理由や対処法について、様々な角度から説明しました。対処法について多く説明しましたが、どれにも共通する事は、無理をしない事です。
自分の心に語りかけ、少しずつ回復を図っていけば、次第に感情は落ち着き、何もかも嫌な気分は薄らいでいくはずです。
あなたの心に平穏が戻り、前向きになれる事を心から祈っています。
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