「もうやめたいのに、どうしてもやめられない」
あなたには、そう感じていることがありますか?
どうして、それをやめたいと感じているのでしょう。
そして、それをなかなかやめられないのは、なぜなのでしょうか?
この記事では、そんなあなたの「やりたくないことをやってしまう」という悩みについて、一緒に考えていきましょう。
やりたくないことをやってしまう原因とは?
まず始めに、人がやりたくないと思っていることを、やってしまう原因を考えてみます。自分に当てはまることがあるか、ぜひ考えながら見ていってください。
原因①:習慣になっているから
「やめたいことをやめられない」一番多いパターンは、その行動が「習慣」になってしまっているからでしょう。
毎日の生活において、習慣は重要な要素です。
よい習慣は人生を整えます。
早起きすること、きちんとした食事を摂ること、適度な睡眠など、これらはあなたが良いパフォーマンスをするために欠かせないものです。
しかし、本当は「やめたい」と思っているような、自分にとってマイナスな「習慣」はありませんか?
喫煙、過度の飲酒、無駄遣いなど、他の人から見ても「やめるに越したことはない」習慣がある人なら、これがすぐに思い当たるかもしれません。
その他にも、「クヨクヨ悩むこと」「すぐに落ち込む」「イライラしやすい」など、セルフコントロールについての「習慣」をやめられない人も多いことでしょう。
これらはすべて、あなたの身についてしまっていることなので、やめるためには「これは習慣化しているな」という「自覚」がまず必要となってきます。
イライラを抑える14個の方法!イライラを解消したい人も必見!原因②:つい期待に応えようとしてしまう
あなたには、自分の意志にそぐわない「期待」がかけられている、と感じる事柄があるでしょうか。
その期待の中には、そのものは良いことでも、あなたが「辛い、本当はやめたい」と思っていることがあるかもしれません。
例えば、「家業を継いでほしい」と期待されているので、仕方なく料理の勉強をしているけれど、本当は理数系が大好きで進学したいと思っている、というような場合です。
他にも、ひとり黙々と作業をしていたい性格なのに、職場ではリーダーとして期待されてしまい、つい頑張ってしまう、という人もいるかもしれません。
誰でも、期待されるのは嬉しいことです。
しかしそれが自分の能力や好みに合わないと感じる時には、「やりたいことは他にあるのになー」と疲れを感じてしまうことでしょう。
原因③:常識だと言われてしまうから
自分の育った環境の中で「当たり前」とされていること。
そういう事柄に疑問を持ち、「自分はやりたくない」と思うけれどやめることはできない、そんなこともあるはずです。
これだけ多種多様なライフスタイルが見られる現代においても、
「お正月は実家に帰り、家族で過ごすのが常識」
「女性の幸せは結婚にあり」
「正社員で働かないと不安定で心配」
こんな「常識」を押し付けてくる人、あるいは風潮はなくなっていません。
もちろん、これらの「常識」を楽しみ、心から喜んでいる人にとっては何の問題もないでしょう。
しかし、それが自分の生き方に合うかどうかは人それぞれです。
ですから常識だから仕方ない、やめたいけれどやめることは出来ないと感じている人にとっては、「常識」は大きなストレスになっている可能性があります。
原因④:みんながそうしているから
「やめたいと思っているのにやめられない」事柄の中には、「周囲から浮きたくない」「みんなと同じようにしないと不安」だから、というものも存在します。
せっかく入学したのだから、学校を辞めるなんて言えない。
同僚みんなが女子会をしているのだから、行きたくないけど断れない。
ママ友に合わせてのホームパーティー、本当は気が重い。
関係のない人からみれば、たいしたことない、くだらない悩みかもしれません。
でもこういった小さな「嫌だな」という気分が積み重なって、大きなストレスとなっていくこともあるのです。
そしてこの種の「やめられないこと」には、自分だけでなく、友人や子供など、身近な人が関係してくることが多いでしょう。
ですから自分だけの意志では結論が出せず、ついずるずると意に反した行動を取らざるを得ない、そしてますますがっかりするという悪循環にはまっていくことになります。
原因⑤:歯止めが効かないから
これは少しハードな問題ですが、万引きや窃盗のような軽犯罪が「やめたいのにやめられない」という「窃盗症」という病気があります。
この病気は最近テレビなどでも特集され、認知され始めてはいますが、それでも「自分はこんなに盗みをやめたいと思っているのに、どうしてやめることが出来ないのだろう」と、ひとりで悩み続けている人も少なくないようです。
この窃盗症は、ある意味「脳の一部分の機能低下」がもたらしている症状です。そしてこの「脳機能低下」は他にも、犯罪にはならないけれど自分や周囲の人を悩ませる、「やめられない」に関連した様々な症状を引き起こしています。
分かりやすいところでいうと、
「キレやすい、大声を出す」
「すぐ八つ当たりする」
「突然大泣きする」
このような困った言動もまた、本人がやめたいと悩んでいても、簡単にはやめることのできない症状です。
もし周りの人から見てもこれらが酷く、自分自身も辛いと感じている場合は、単純な性格の問題ではないかもしれません。
他にも「ギャンブル依存症」「強迫性障害」のように、自分では自分の行動に、歯止めの効きにくい病気もあります。
このような場合は「やめられないのはあなたの弱さだ」と責めるよりも、専門家の助言を必要としている可能性があるでしょう。
やりたくないことをやめる方法!
ここまでの5つの原因に、あなたに当てはまるものはありましたか?
では次に、やりたくないことをやめるための、具体的なヒントを挙げていくことにしましょう。
方法①: やりたくないことをリストアップする
まず始めに、あなたが今「やりたくないと思っているのに、やめられなくて悩んでいる」事とは何なのか、実際紙に書き、そのリストを作ってみましょう。
漫然と「やめたいのになー」と考えているだけでは、問題は解決しません。
自分にストレスをかけている事柄を文字にしてみると、その傾向を知り、対策を立てる手がかりが得られます。
- パチンコをやめたい
- 小言を言うクセをやめたい
- 長時間SNSを見続けてしまう
- 物を捨てられず、ため込んでしまう
- 夜中の甘いものがやめられない
さて、あなたにはいくつ「やめたいのにやめられない」ことがありましたか?
ここでのポイントは、「自分が」やめたいと「思っていること」だけを書き出すこと。
人からは言われているけれど、自分では特に「やめたい」と感じていない事柄に関しては、取り組む際の本気度が異なりますから、このリストには加えないようにして下さい。
方法②:自分にとってのマイナス点を書き出す
方法①の「やりたくないと思っていること」リストを作成したら、次はその項目ひとつひとつについて考えていきます。
それぞれの事柄が、あなたにもたらしている負の要素を書いていくのです。
例えば「煙草をやめたいと思っている」についてなら、喫煙をしている今、あなたが被っているマイナスポイントは何でしょうか。
- 息切れする、健康診断で禁煙を勧められた
- 毎月○◯○円の出費が痛い
- 家族に煙草の匂いを嫌がられる
- 吸えないとイライラする
こんな風に書いてみると、その「やめられない」事柄によって、あなた自身がとても大きな被害を受けていることがわかります。
こうして自分で書いた文字を、改めて何度も目に焼き付けることで、あなたの「やめたい」という意思が強固なものになっていくはずです。
方法③:理由を突き止め取り除く
もしこの時点で、やめられない理由がはっきりしているのなら、それをできるだけ取り除いておきましょう。そうすれば、その問題に対処するのが一層容易になってきます。
- 遅刻癖を治したい→遅刻の理由は「朝起きられないこと」の場合
↳夜中にスマホを触るのをやめる
↳睡眠時間をきちんと確保すれば起きられるはず - 休みにパチンコしてしまう→つい行ってしまうのは「暇だから」の場合
↳休日に行く習い事を始める
↳事前に映画や自宅の掃除など予定を決めておき、暇を無くす
このように全ての行動にはその元となっている、あなたなりの「理由」がありますので、それをきちんと突き止めましょう。
そうすればやめたいことをやめる、最短のルートを辿ることができるのです。
方法④:ふせんに書いて貼っておく
仕事や勉強に「ふせん」を活用している人は多いと思います。
この便利な付箋を、「やめたいことをやめる」ことにもフル活用してみましょう。
- いつの間にか怖い顔をしている、そんな表情をやめたい
↳テレビやパソコンに「スマイル(^^)」と書いた付箋を貼っておく。 - 毎朝、憂鬱な気分になるのをやめたい
↳部屋のドアに、「今日もいいことがあるよ!」の付箋をぺたり。
人は情報の80パーセントを「視覚」から得ています。
少し前に、あるテニスプレーヤーのカレンダーが「元気が出る」と流行しました。あれも毎日「見る」カレンダーに、強めのプラス思考ワードが書かれているものでした。
ここからも、視覚にアプローチして「やめる」ことに影響を与えれば、効果的に気分や行動を変えることができる、ということがわかるでしょう。
ふせんならどこにも貼れますし、すぐにはがせて新しいものと交換できます。
「ツイッターは本日終了」「気にしない、気にしない」とか、他にも有名人の格言や、ネットで見つけて気に入った言葉を書いて、スマホや部屋の目につくところに貼っておくのもおすすめです。
方法⑤: その常識は自分に必要か考える
よくあるシーズン、行事ごとの、決まりきった贈り物。
意味があるのかどうか、分からないような付き合いや食事会。
あなたには、本当にその「常識」は必要ですか?
もしある時点であなたが、「もう○○会はやめよう」と決断したとしましょう。
それをメンバーに伝えるのは勇気がいることですが、言ってみると案外「私も実はもうやりたくなかったの」という人もいるかもしれません。
あなたが感じる「やりたくない」という気持ちは、独りよがりのものではない場合もあるのです。
ですから自分の気持ちを、素直に相手に相談し、「やめられない」苦い気分を出来るだけ味わわなくて済むようにしていきましょう。
方法⑥: やめることで得をする
今まで楽しんできたことや、毎日ルーティーンしてきたこと。
それらをいくつかやめることになると、あなたは何だか人生が窮屈で、面白みのないものになったような気がしてしまうかもしれません。
そんな気分を防ぐためには、「やめたことで自分はこんなに得をした!」という実感を得ることが重要です。あなたは自分のためになることをしたはずですから、それが目に見える結果となって表れていれば、喜びが倍増するはずです。
- 毎日の無駄遣いをやめた
↳その分を小銭貯金→○◯○円貯まったら日帰り旅行! - 家族に愚痴や小言を言うのをやめた
↳会話が増えてコミュニケーションが取れる→笑顔が増えて気分も上々!
いかがでしょうか。こんなふうにプラス思考で「得する」と考えられるなら、やめる努力も報われるというものです。
方法⑦: 自分を抑える方法を探す
あなたが「やめたいと思っている」のが、自分の性格や言葉の使い方、他の人への態度などに関しての事柄の場合、必要なのは「自制」かもしれません。
自分を抑えることが出来ると、問題となっているいくつもの行動を「やめる」ことができるのです。
ある短気な人は、常にゴム素材のブレスレットを左手に付けておくことにしました。
イラッ、ムカッときたら、それを軽くパチンとはじいて自分に刺激を与えるのです。
その小さな痛みは、彼に「はい!短気は損気!」と教えてくれます。
そうすれば「そうだった、僕は今、すぐ怒るのをやめたいと思って、努力している最中なんだ」と自制を働かせることができるというわけです。
他にも、「落ち込みやすく、すぐに泣きたくなる」のをやめたいなら、可愛いペットや、大好きなアイドルの写真をキーホルダーに付けておきます。
そして嫌なことがあったときには、すぐそれを見るようにし、自分の悲観的な衝動を抑える助けにするのです。
こうして気付いたときに、上手く自分をコントロールできるようにしておくのは、その後の人生にも良い影響を与えていきます。
今後、何か大きな問題に直面することがあっても、あなたはもう、怒りや悲しみで自分を破滅させずに済むのですから。
方法汚⑧:瞑想してみる
やめたいのにやめられないことがある人は、生活の中に瞑想を取り入れてみましょう。
瞑想には意思決定に大きな影響を及ぼす「前頭葉」を鍛える効果があり、ネガティブな感情をコントロールするのに役立ちます。
瞑想のやり方は簡単で、背筋を伸ばして椅子に座り、鼻から8つ数えながら息を吐き、同じく8つ数えながら息を吸っていきます。この時意識を呼吸に向けることが重要です。
瞑想はその他にも、うつ症状の緩和やストレスの軽減にも良いことが科学的に証明されているため、1日5分からスタートして毎日15分ほど行うことを目標に習慣づけることをはじめてみましょう。
方法⑨:すぐに全てを解決できると思わない
やめたいと感じる行動がある時、すぐに全てを手放すことは難しいという事を知っておきましょう。
例えばギャンブルが好きな人が、いきなり今日からパチンコをやめる!と宣言しても、我慢すればするほど行きたくなり、結局我慢が限界に達して散財してしまう、ということがあります。
悪しき習慣を断ちたい気持ちはわかりますが、すでに体に染みついてしまっている快楽や衝動をいきなり断ち切るのは、反動を大きくしてしまい結局失敗してしまう原因となります。
そこで例えば、いきなり全てを断つのではなく、自分がやめたいと思っている習慣から少しずつ距離をとる方法を考えていきましょう。
ギャンブルなら月に1回にしておく、闇雲に不安になってしまうなら自分が嫌いなら、不安になる時間帯を決めておく。一度に全てをやめるより、少しずつフェードアウトすることで、行動のリバウンドを防ぐことができます。
人はすぐには変われません。やめられないと嘆く前に、ほんの少しずつでいいので、本当はやりたくないこと、やめたいことから距離をとってみてください。
方法⑩:認知行動療法を学んでみる
歪められた認知を変え、新しい自分に出会ってみましょう。
認知行動療法とは、自分自身のものの考え方や思考の歪み(認知の歪み)を認識し、自分自身の根本的な考え方を変えていく行動療法です。
例えば、Aさんは仕事でいつも周りを気遣って他の人よりもたくさんの仕事を引き受け、残業の嵐に飲み込まれているとしたら、この人の認知の歪みは何でしょうか?
Aさんは他の人から頼まれた仕事を断れない=断ってしまうと相手が嫌な顔して自分を嫌いになるかもしれないという強迫観念にかられている→だから断ることが出来ずに全て引き受けてしまう
という思考の歪みとそれに伴いやりたくないことやってしまっているかもしれません。
ですが、私たち第三者がこの状況を見ると、いつも仕事を頑張っているAさんが仕事を断り、もしそれに嫌な顔をする人がいたとしたら、その押し付けている相手の思考がおかしいことにすぐ気が付けるはずです。
認知の歪みを矯正することは、生きやすさそのものを変える劇的な方法です。カウンセリングなどが難しい場合は、まずは書店で『認知行動療法』の本を1冊手に取ることから始めてください。
方法⑪: 行動は変えられる
ここまででいくつかの「やりたいことをやめる」方法を考えてきましたが、あなたの琴線に触れるヒントはありましたか?
「どうしてもやめられない」「私は意志が弱いから」と思っていた人でも、身近にある物を使って、あるいは少し思考パターンを変えることで、「やめられないジレンマ」から抜け出すことができるのです。
嬉しいことに、人間の脳には、よく使うところに太い神経の道ができる、という特徴があります。これは、登山客が毎日たくさん歩くところが、自然と太い登山道となり、ますます歩きやすくなっていくのとよく似ています。
やめたいことをやめれば、その「道」は使われずに塞がっていきます。
そしてもっとやりたいことをやるようになれば、そこにあなたの「太い道」ができるのです。
通りやすい道を楽しく歩いて、明日からの生き方を変えていきましょう。
でももし、自分で努力しても難しいと感じる場合には、ぜひ家族や専門家に相談してみてください。
ひとりでは自信がなくても、ご夫婦で一緒に禁煙に取り組むとか、学校や会社のカウンセラーに怒りのコントロールについて聞いてみるなど、方法はたくさんあります。諦めず、投げ出さず、やってみれば必ず「行動は変えられる」という事を自分に刻んでおきましょう。
やめられないと悩んでいる人へおすすめの書籍
やめたいことは、やめられる
悪い習慣があなたを不幸にしている、それを捨て去るための内容となっています。日本で仏教を教えてきた著者が、行動と心の悪癖を断ち切り、しあわせを実感できるようにとまとめた本です。
やめたいのにやめられないと嘆く君へ
この記事を読んだあなたは、きっとあなた自身が思っているよりずっと自分自身の行動に悩み、そして不可解な行動だとわかっているのに、辞められない自分を責めています。
やめたいのに、やめられないのはあなたの責任ではありません。
脳の中の一部の部分が、「こうしなくちゃ、いけない」「こうしないと、自分はこうなってしまう!」と過度に思い込まされ、そして取りたくもない行動をとってしまうんです。
やめたいのに、やめられないのはあなたの責任ではありません。
だからこそ、やめる方法を見つけることもできるし、そして自分を変えてもいけるんです。
この記事がやめたいのにやめられないと、思い悩みあなたがこぼす涙を少しだけ止める役目ができることを願って。
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